マルタ島
カターニャ空港からローマ経由マルタ国際空港へ。
旅はハプニングがつきもの、それをどう乗り切るかが旅の面白さだ。
我々、16名の撮影ツアー御一行様のトランクはいつまで待っても空港に姿を現わさない。
さあ大変!! 添乗員の顔色は青ざめ急いでバゲッジサービスカウンターへ。トランクの色の確認、ローマからの後続便はナシという。つまり本日の到着の見こみはおまへん。
それでもツアーは精力的に動きまわる。
市内の中心を馬車で見学,街は坂道が多くこれはラクチンだ。名古屋から参加の近藤さんと二人、御者の説明に大満足だ。1度は乗りたいおススメの馬車(料金は先に交渉5ユーロ位)。
マルタ馬車
マルタ島 昼下がり
マーシュロックの漁村はカラフルなボートが浮んでいる。舳先には一対の目の絵が描かれている。
悪天候から身を守る魔よけなのだ。のんびり、ゆったりとほんとに静かな漁港である。その港の前に一人の老人がいた。
「ハロー」、と気軽に声をかけた。72歳のカッツサーラさん。「6月のマルタは熱いだろう? 日本はもっと熱いのと違うか?」という。
世間話に花が咲く。「今度来る時は10月か4月がいいよ」とのこと。マルタは英語圏で90%の人が英語を話す。ドイツ―韓国戦のサッカーの話、世界も狭くなったものだ。
マルタ市内
マーシュロックの港 筆者
町の散策後ホテルへ。
着の身着のままの着たきりスズメ。フロントで歯ブラシとカミソリをゲット。“全員の分を”・・・・・・「有料です」とピシャリ。五ッ星のホテルも案外せこいものだ。何とか一日分だけ着替えを確保.お揃いのTシャツの為なんだか同志の誕生だ。
翌朝 “さあ出発! と顔色の悪い添乗員の声.今日は荷物が着きます様に・・祈る気持ちで車中の人へ。
マルタ共和国は一九七三年に独立、地中海航路の要衛にあったマルタ島は想像を絶するほどの長く重い歴史が刻まれている。それが巨石神殿を訪れた時に実感できる。
日本の沖縄返還(72年5月)と同じ頃の独立国だ。大城塞に囲まれた歴史を刻む島。マルタ島・それにゴゾ島・コミノ島と二つの無人島からなっている要塞都市。
バガール・キム神殿
世界遺産の巨石神殿、『バガール・キム神殿』はエジプトのピラミッドより古い物であると、学説的にも判明している。6000年~7000年前にどうしてこんな巨石を、動かしたり持ち上げたりできたのか、まさに神秘の謎だ。近くで見ると巨石の一つ一つが、新石器時代の全てを語っている様に感じる。今ではマルタ文明が世界最古とされている。考古学の奥深い謎はこの天然石だけが知っている…。
現在のマルタは世界のリゾートとして観光客が増えホテルの建築ラッシュだ。
観光地では結構、物価が高くミネラルウォーターは150円もする。タクシーはメーターも無く、行きと帰りの料金も違う。気をつけないとボッタクラレまっせ。
観光地にはカジノはつきもの,島には3ヶ所のカジノがある。昔取った杵柄でギャンブラーの血が騒ぎひとりカジノへ。入口でパスポートを提示、日本のアドレスを記入し写真まで撮られるものものしさ。受け取った入場カードには全てがインプットされていた。カジノもカード万能時代。次回からこのカードでOK.らしい。
世界遺産 バガール・キム神殿
ヨーロッパのカジノはラスベガスのスケールとは違う小さな物。ブラックジャック・ルーレット・スロットマシーン、ともに客はパラパラだ。1時間ほどルーレットに興じ勘は見事的中。
チップの量は見る間に増え,膨らんだポケットに思わずニンマリ、「グッバイ」…とギャンブラーは意気揚揚とカジノを後にした。
筆者 昼寝 古都イムディーナ
マルタのレストランはミネラルウォーターとハウスワインがセットされサービス満点.しかし何を食べても濃厚な味は、満腹を感じるのに早かった。
旅仲間の福岡の長田さんと、ランチタイムにワインをオーバードリンク。すっかりいい気分でマルタの古都イムディーナとラバートの生活風景を見学した。
城壁の町もウツロな目にはあまり感動を覚えず,お土産店に飛びこんでで気の良さそうな店の親父と、サッカーのワールドカップのテレビ中継を観戦。カメラのレンズはフタをしたまま。
観戦後は木陰のベンチでゴロ寝。愛用のカメラもお腹の上で小休止。湿気のない心地よい風が吹きぬけ,気持ちは最高! “浪速の騎士”も暑さにはかないまへん。
今度来る時は小鉄(女房)を連れてもうアルコールも控えめにしてもう一度ゆっくりと見学せなあきまへんなぁ~。
ヨットハーバーからの教会
マーシュロックの港 ルッツ
ホテル前の夕暮れ
“集合”! の声に起こされた。
休憩のためホテルへ。見なれたトランクが玄関に山積みにされているのを見て歓声が上がる。これも添乗員さんのお陰です.青ざめた顔に白い歯が初めて覗いた。
夕暮れのマルタの港。夕陽を背負った教会のシルエットは美しい。私の写真ではその美しさを伝えるのにはまだ年期がかかる.いつかはその姿をきっと表現できるだろう。
ブラリひとりで海岸を散歩した。金色に輝く夕陽、浜辺でのんびりと竿をだす釣人。愛用のカメラはシャッターチャンスを逃さなかった。
マルタの港
青の洞門
『青の洞門』は代表的な観光スポットだ。入り江が多く波による侵食でアーチ状にえぐられた洞門は東南の岬の先端にある。
洞門めぐりは八人乗りのルッツ(ボート)。光の届く午前中は特に美しい海の色。被写体を見つけ身体を乗り出し船も傾く程だ。洞窟に笑い声が響き渡る。・・・・・・ やっぱり旅はイイネ。
青の洞門
青の洞門
青の洞門 船乗り場
ゴゾ島
マルタ島の北の端。フェリー乗り場は観光客でごったがえしていて、ゴゾ島へは30分の船旅だった。
デッキは青い目、赤い目、金髪に茶髪、色とりどり。モデルには困らない華やかさ。外人は全て美人に見えるから不思議。シャッターの音・音・音。
首都のヴィアレッタの町並みを歩いた。日陰の路地は心地よい風が頬を撫ぜてくれる。マルタワインの店でまず試飲。すっきりとした辛口の白ワインは乾いた喉を、一瞬喜ばせてくれた。
マルタ島~ゴゾ島 フェリー港
ビーフのパイ包み
レストラン
中世の生活の生きずく町は乾いた感じの町並みが続く。
八百屋の店先のピーマン・トマトは埃を被り買い手を待ちくたびれている。
大城塞から見おろす農村は牧歌的で時間がゆっくりと過ぎていく。農作業の姿は見当たらない。この暑さじゃ働く気分にはなりまへん・・・といいたげな風景である。
日陰の喫茶店を見つけ、カチカチのアイスクリームでやっと汗が引く。真夏の観光は考えもんでっせ。
大城塞の中庭にて
カリプソの洞門
フエリー乗り場近く、ブルーラグーンを望遠で覗く。なかなかのものだ。しかし小笠原や八重山諸島の紺碧の海、自然にはかないまへんで~。
日本の海も捨てたもんじゃないと…どこかほっとした、駆け足のゴゾ島見学。
撮影の旅もフィナーレを迎え最後のディナー。マルタ名物、「ウサギのシチュー」を特別にホテルに注文。長期滞在の場合、ヴィッフェスタイルでも食材があればリクエストOKだからぜひ試してみたい。
やがてウサギのシチューが湯気を上げながら来た来た…。意外に味付けもあっさり、鳥のささみの感じ。じっくりと時間をかけて煮込んだ“シチュー”の奥深い味に会話もはずみ、旅のエンヂングにふさわしい笑顔が満ち溢れていた。
久しぶりの料理らしい料理に、至福の食卓は夜遅くまで賑わった。
マルタ名物 「ウサギのシチュー」
中世の 歴史を刻む マルタ島