シチリア島のパレルモ
伊丹―成田―ロンドンーローマと乗り継ぎアリタリヤ航空でシチリア島のパレルモに到着。
ホテル到着は真夜中の12時30分。やれやれやっと着いた。・・・
地中海に浮ぶ島の中では最大。人口520万の四国よりチョット大きな島である。パレルモ郊外のモンレアーレは市内より車で30分ほど。コンカドーロを登り、丘の上へ,町並はブーゲンビリアやキョウチクトウが咲き乱れている。
モンレアーレ・カーポ市場
町の両側は違法駐車の列・列・列、ほこりを被りバンパーが歪み、50cc(免許不用)のバイクが走り回る。全く違う生活を感じる。軽四輪の八百屋、道路にまで出店している魚屋など。
南イタリアの灼熱の太陽は沖縄のそれと似ている。ノルマン王宮や旧市街は、さすが歴史を感じさせビザンチン様式のモザイクは光に輝く感動のたたずまいをみせる。
広場の子供たちにカメラを向けると人懐こい愛らしさと、天真爛漫な心の豊かさが白い歯を覗かせる。「グラァツィエ(ありがとう)」覚えたてのイタリア語が自然と口から飛び出してくる。路地の中程で編物に熱中している老婆にも。「ヴォンジョルノ!」ばあさんはそのまま編物を続け、ときどきニッコリと微笑をかえしてきた。
モンアーレ大聖堂/ビザンチン様式のモザイク
カーポ市場
訪れた時はワールドサッカーの真っ最中、市場の中を歩けば「コウリャンかジャポネか?」と声が飛んでくる。"ジャポネ"だと言うと「ナカタ、スズキ」と威勢のよい魚屋のオッサンの掛け声がハネ返ってきた。
照りつける太陽の下で育った真っ赤なトマト、見るからに旨そうなヤツもならぶ。
期待していたディナータイム。1cm丸の穴のあいたスパゲッティー、ミートトマトソースの味付けでオーブン焼き、濃厚な味にはガイドおススメのドウカエンリーコ(シチリアの赤ワイン)は舌にマッチした。
アグリジェントの神殿、エルコレ神殿
夏の間だけライトアップするというアグリジェントの神殿は、2500年ほど前にタイムスリップする。世界遺産も、あまりにも距離が離れている為、私の200mmの望遠ではあきまへん。腕自慢のカメラマンは300mmや400mmを誇る。やっぱりプロの道具は違いまんなぁ・・・
古代ロマンの神殿の谷から1kmあまりの神殿の道が続く。撮影ツアーは自分の被写体を見つけてスナップに夢中、ガイドの説明は不要なほどである。
エルコレ神殿
私一人に現地のイタリア人とフィレンツェから来た日本人ガイドの二人。
日本からも学生が建築の研修に来るというだけあって大したものだ。ギリシャのパルテノン神殿等は大理石を使っているが,ここでは砂岩にシックイを塗る建築法。一番の感動はエルコレ神殿。八本の柱が連なる古代を偲ぶ姿は,今も天に向かって勇壮に聳えている。
1時間30分程の時間をかけてゆっくりと20の神殿見学。とにかく熱い・・30度は越えている。ところが現地ガイドは涼しい顔.路端に咲く珍しいケッパーの実と花、アーモンドの実が連なり、少しは熱さを忘れさせてくれる。一度は訪れたい鉄人オススメの神殿見学。(日傘持参) 休憩所では名物のシャーベットが喉を潤してくれた。
ホテルの窓
タオルミーナ
パレルモからタオルミナへは高速道路で4時間あまり。
地中海有数のリゾート。タオルミーナはイオニア海に面し世界各国からグラン・ブルーの海を求めてやってくる。海辺はビキニやトップレス、人種のるつぼは目の保養をさせてくれた。
ホテルは断崖絶壁の上に聳える四ツ星クラス。道路からエレベータで上へ,専用のケーブルカー(24時間運行)でフロントに到達する仕組みだ。
そこからのイオニア海は「地中海の女王」といわれるだけあってまさに一枚の絵葉書のようだ。色鮮やかに咲く花とブルー一面の海のコントラストにやっとイタリアを感じた。
タオルミーナのイオニア海
ギリシャ劇場
ギリシャ劇場の正面
タオルミーナのハイライトはなんと言ってもギリシャ劇場。紀元前3世紀に造られた一万五千人を収容できる、すり鉢状のシアターである。(最大直径109m)
正面の遺跡の遥か彼方にエトナ山がブルーの海に映えている。想像以上のスケールの大きさにギリシャ劇場の最上段に腰をおろし暫くジッと佇んだ。
訪れている観光客は世界各国から多岐にわたっている。ドイツ・アメリカ・フランス…意外や日本はその次だった。
ギリシャ劇場通りはシチリア焼きの専門店が並び,露天では木製のオモチャを売る黒人。その額に光る汗・あせ!旅に出て初めて我が孫の土産に2つ購入した。 (エッ,なんで二つ ? 双子でんねん)
ハンドメイドのシチリア焼きの人形を我が師匠の蜂須賀大先生(プロカメラマン)は誰かの土産に・・・
4月9日広場の近くのバーに腰をおろし道行く人に目を走らせているだけで、シチリアは充分楽しめるところだ。