小鉄と村の子供達
マラ
一時間近くのフィナーレはファイヤーダンス。
火の付いた棒を口にくわえたり、
クルッ、クルッと廻すダイナミックな踊り。
目の前で見るのは初めてだ。
前列の特等席の客が慌てて後ろの席に移動した。
火の付いた棒が飛んできたからだ。
時々の失敗も愛嬌、アッチコッチで笑いの渦。
ヤケドをしても無料であれば文句の言いようがおまへん。
身のキケンは自ら守らなあきまへん、
もちろん保険も何もおまへんで。
火の棒が飛んで来る度に拍手喝采。
カメラを構えていると火の棒が視界から消えた。
足元でメラメラと燃えているのを見て、飛んで後ずさり。
次の日、マラとの約束を思い出し、
8時過ぎに村を訪れた。
セキュリティに質問され、
マラの名を告げると門を開けてくれた。
「ホテルより厳重な管理やな」。
ショーは30分遅れのフイジータイムで始まった。
客は村に宿泊している旅行者。
村の人や子供達、ホテルの客は我々二人。
次々とショーが繰り広げられ、迫力満点だ。
観客からのかけ声が飛ぶ。
踊りの中にマラがいたのには驚いた。
「こりゃあ、ホテルのショーとは問題にならんなぁ~、なぁ小鉄」
「なんだか得した見たいやネ」。
村の子供たちも皆フレンドリーな笑顔。
ショーも終わり、マラが「ヴィナカ(ありがとう)」と手を出す。
礼を言うのはこっちの方ですわ、充分楽しませて貰ってありがとう。
村には宿泊施設もあり、価格はホテルの十分の一。
オーストラリアやニュージランドの若者がステイしている。
日本のガイドブックには紹介されていないが、
何れは日本の若者も知る事になるだろう。
多くの若者との出会いに元気を貰った。
ファイアーダンス