伊予大島(いよおおしま)
●越智諸島_愛媛県
最終回
「巡礼を温かく迎えてくれる人々」
今治港からフェリーで25分。波静かな西瀬戸の海の向こうに伊予大島。
還暦を記念した60の島巡りもフィナーレ。
“しまなみ海道”のひとつ、大島を“巡礼”。
へんろ道は全長63キロメートル。
四国と同じ八十八ヶ所の札所を3日間で巡拝する。(毎年旧暦の3月19日~21日)
同行はこの『島巡り紀行』のスタートの石垣島から参加の知人、宮良里芳(60)栄子夫妻、神戸の義弟・林一夫(46)シゲ子夫婦の6人。
白装束に身を包み午前7時、下田水港近くの44番札所「十楽庵」(臥間)から「うち初め」。
早朝より札所は巡拝者であふれている。
各札所では、島の人が総出で“お接待”をしてくれる。
道中、何ごとも起こりませんように
…色即是空…
身を引き締めて「般若心経」を各札所で唱え一歩一歩と歩く。
海岸、花畑、路地、山道や急な階段を行く。
島の人は皆、人情豊かに迎えてくれる。
道なき道を行く巡礼たち
時代が変わり、車や自転車、タクシーなどで回る人が多くなり、私のように歩いての巡拝は少なくなったという。
札所や道路沿いでお茶、赤飯、ヨモギモチ、焼きイモ、トコロテン、般若党(お酒)手作りのフルーツカンテン、昔なつかしいアンパンなどのお接待をうけ、昼前にはもうおなかがパンパン!
なにしろ初めての体験なので一行は緊張の連続で初日の行程(20キロメートル=9時間)を終え、迎えの車で宿へ。