離島60めぐり---第23訪島(3)
焼尻島(やきじりとう)
●北海道
守られる焼尻島の自然
南側の「オンコの荘」には巨木が生い茂る。
空を覆うアカエゾマツ、ミズナラ、イタヤ、シイノキ、野生のウドも白い花をいっぱいに咲き誇る。
ナラの木
「オンコ(イチイの木)」は本来は15メートル、太さ1メートルといわれているが、ここ焼尻島のオンコは高さが1メートル、枝の広がりが10メートル以上もある。
高く育たないのは海からの強風の影響だ。
すべての木が風下の南東側に枝をのばしているのは自然の厳しさをしのばせる。
秋には真っ赤な種がなるオンコ。
散策路は空を覆うような森林ががまるでジャングルのよう…。
オンコの森を抜けると突然、空が開け海に向かって雄大な緑の絨毯の大草原が広がる「めん羊牧場」。
頭と足首が黒いヒツジたちがゆったりと草を食べたり、ねそべっていたり…。
まさに北海道。
雄大な風景は自然がいっぱい。
日頃ヘルスクラブで鍛えた足腰も歩き始めて2時間もたつとやはり還暦青年にはこたえる。
途中に自動販売器など何もない自然道。
路傍のエゾカンゾウが今は盛りと咲き、私達の疲れをいやしてくれる。
冬にはひたすら氷雪に耐え、短い夏の間に2倍3倍働かねばならぬ北の島。
1年中温暖な南の島との違いは、夜明けとともに港で始まったホタテの水揚げの活気がそれを示していた。
ホタテ漁水あげ
『草をは(食)む 羊の群れに 鳥の声』