離島60めぐり---第24訪島(3)
天売島(てうりとう)
●北海道 48メートルの「赤岩」一帯にはウミウ、ケイマフリ、ウトウ、ウミネコ、オオセグロカモメ等、数十万羽が住みついている。
数十万羽が住みついている「赤岩」
オロロン鳥にかわって主役はウトウ(善知鳥=仲間同志の義理人情?に厚い「善を知る鳥」)で、地面に深く巣穴をつくりヒナを育てる。
深い穴は2メートルにも及ぶという。
夕食後、薄暗くなってから『赤岩展望台』へウトウの帰巣を観察しにでかけた。
島の南西端の赤岩一帯にはウトウの巣が20万個。
親ウトウは日没後に一斉に獲物をくわえて巣に戻ってくる。
観光客の他に、ウトウの帰巣を待ち構えているのが海のギャング・ウミネコ。
上前をハネようというわけだ。
ヒナのために口いっぱいの小魚。
それを横取りしようとウミネコが親ウトウに襲いかかる。
この光景を見ている我々も口々に「早く逃げろ!」「危ないッ」と思わず声援を送る。
中にはエサを奪われるのもいて“生存競争”の現実をこんな自然の離島でつきつけられるとは…せつない。
海鳥の楽園のこの島は人間や他の動物を寄せ付けない断崖絶壁が海鳥たちの聖域なのである。
厳しいが、豊かな自然が“繁殖地”のバリアとなっている。
なかでもウトウやケイマフリの世界有数の繁殖地がここなのだ。