離島60めぐり---第30訪島(6)

 父島(ちちじま)

小笠原諸島_東京都  いよいよ島に別れの早朝、佐々木さんより電話。「これから島の案内を」と…。
お言葉に甘えて島内の景勝地を2時間ばかり…。


途中、佐々木さんの自宅に招かれ島の戦前・戦後の話。家族の事など親しく話がはずんで、また小笠原に“親戚”が一軒出来た喜び…人情のきび。
旅の思い出の1ページに刻み、港へ。


やがて父島-東京を結ぶ「おがさわら丸」(6679トン)が出港する。


流れる「蛍の光」、ドラの音。ボゥーッと船が“サヨナラ”とむせび泣く、旅のクライマックス。


わずかな期間だが、旅人同士が別れを惜しみ島の人々と見送る小船。

日本の島再発見_東京都_小笠原諸島_父島_別れを惜しむ小船たち
別れを惜しむ小船たち

その昔、海軍ラッパの名手だった佐々木さんがこの独特の『見送り』を始めた。

「池内さ~ん、お元気でェ~。マタいらっしゃあ~い!」の“感動”が味わいたかったのに、残念だ。
佐々木さん、早く元気になってや!


いまでは父島の港の旅情漂う感動のセレモニーになっている。


地元の小船が「おがさわら丸」の周囲に12~13隻。
名残おしそうに見送る。帰る人、船上の人、残る人。


「サ・ヨ・ナ・ラ~」 「あ・り・が・と・う」
「げ・ん・き・で・ネ~」「ま・た・来・て・ネ~」


ちぎれんばかりに手を振り、小船がエンジン全開で走る30分間の“別れのドラマ”。
見送りの船から海中へダイビング。
別れの幕が降ろされた。


ありがとう小笠原!また来るよ…島影が小さく小さくなっていく。
いいなぁ…やっぱり島は…。

『碧い海 イルカと泳ぐ 小笠原』

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