帰りの船の中

シダの洞窟

小鉄と山田さん

変わった水上スキー

ワイルア川をカヌーで

シダの洞窟へ

ワイルア川・国立公園

ワイルア川をシダの洞窟へ

『帰りの船の中で小鉄とそっと手を握っておきました。
これで当分は大丈夫でっしゃろ』

30分で洞窟の桟橋に到着。
舗装された道を5分ほど歩くと、
目の前にボストンシダに覆われた洞窟が現れた。

雨が降ってきたかと思うほど水滴が、
滴り落ちる中を奥へと進む。

 常に水分を含んだ洞窟のシダは、
大自然の神秘が漂い、光に映えてうっとりと見とれる。

この洞窟で恋人同士が固く手を結ぶと、
永遠の愛が約束されると言われている。

残念ながら私は洞窟の下で写真撮影、
小鉄は洞窟の中にいる。

 遊覧船のクルーが奏でる
「ハワイアン・ウエディング・ソング」が
ムードを盛り上げる。

天然の洞窟が、音響効果を上げるらしいが、
私はすぐそばで聞いているのでその効果はなし。

 ここの公園で、
私が大ファンであったエルビス・プレスリーの
「ブルーハワイ」が撮影されたとは知りまへんでした。

河口の船乗り場には、
100人ほど乗れる平らな木造船が、
数台客待ちをしている。

あっちこっちのバスからツアー客が乗船。
「ボ‐ッ!」と汽笛を合図に出航する。

流れのゆるやかな川では赤や青のカヌーが行き交い、
水上スキーが私たちを楽しませてくれる。

東海岸に位置するワイルア川は、
ハワイの先住民の故郷である。

200年前まではタブ制度が支配され、
前近代的なハワイ社会がここにはあった。

女性は豚・ココナツ・バナナ・
などを食べる事を禁じ、
男性とは食事を共にしてはならない
といった厳しい禁制である。

うっそうとしたハウの木々に囲まれ、
穏やかに流れるワイルア川を見ていると、
古代の生活ぶりもなんだか覗えるようだ。

 帰りの船の中でも、
賑やかにハワイアンソングフラダンスが始まる。

小鉄の隣席から片言の日本語で
「日本からですか?」

日系二世の山田さん(
70)。

ワシントンで名画の案内をしていると言う。

小学生の頃、仙台に少し住んでいたとか、
偶然の出会いに日本人同士の郷愁が漂う。

下船と同時に別々のバスへと別れを告げるが
,
ずっと以前から知っていたかの様な親しみを覚える

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